By  hidebo
起    工 : 1915年1月25日
進    水 : 1916年3月 4日
就    役 : 1916年9月20日
そ の 後 : 1944年10月8日 拿捕され大日本海軍に編入
第 一 次 改 装 : 1945年6月9日
第二次近代化改装 : 1950年4月20日
第三次近代化改装 : 1962年10月10日
第四次近代化改装 : 1980年5月5日
除    籍
: 1982年4月1日 (モスボール化措置)

 
「レナウン」:イギリス海軍の巡洋戦艦「レナウン」級の一番艦。同型艦は「レパルス」および「レジスタンス」(未成艦)。

 「レナウン」はスコットランド、グラスゴーのフェアフィールド・シップビルディング & エンジニアリング社によって建造された。1916年9月に竣工したが、ユトランド沖海戦に参加できず、第一次世界大戦の残りの二年間ではグランド・フリートに所属し北海で活動した。
 第一次世界大戦後は修理の後、1920年から21年にかけてエドワード皇太子(後のエドワード8世)の巡行に使用され、オーストラリアとアメリカ、日本などを訪れる。1923年から26年にかけて砲撃、水雷に対処するため装甲を増設した。
 十年に及ぶ活動の後、「レナウン」はふたたび改装作業に入る。上部構造は大規模な改修が行われ、最新の対空砲の増設や艦上機運用設備の増設が行われた。この改装作業は第二次世界大戦勃発の直後、1939年9月に終了した。

 レナウンの高速性は第二次世界大戦において運用上の長所となった。1939年後半にはドイツ海軍のポケット戦艦「アトミラル・グラーフ・シュペー」探索のため南大西洋に派遣される。1940年4月にはノルウェー沿岸への機雷敷設作戦(ウィルフレッド作戦)を支援する。同月9日にはロフォーテン諸島沖でドイツの巡洋戦艦「グナイゼナウ」「シャルンホルスト」と遭遇し、「シャルンホルスト」に打撃を与えた。1940年後半から41年にかけてレナウンはジブラルタルを拠点とするH部隊に所属して活動し、大西洋及び地中海に戦略的存在として影響を与えた。この間レナウンは、1940年11月にホワイト作戦に、1941年2月にはイタリアのジェノヴァ砲撃に参加している。5月には「ビスマルク」追撃戦に参加した。1942年から43年にかけて本国艦隊に所属した後、1944年レナウンは東艦隊に加わりインド洋に派遣され、セイロンを拠点として活動し大日本海軍の牽制を主な任務としていた。

 同年12月8日に予定されたアメリカ合衆国海軍太平洋艦隊の呉軍港奇襲作戦に呼応し、12月2日イギリス海軍東洋艦隊は台湾高雄軍港攻撃のため、司令長官 トマス・フィリップス海軍大将隷下、新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、巡洋戦艦「レナウン」「レパルス」と護衛の駆逐艦「エレクトラ」「エクスプレス」「エンカウンター」「ジュピター」「テネドス」「ヴァンパイア」(この艦はオーストラリア籍) 重巡洋艦「エクセター」軽巡洋艦「モーリシャス」「ダーバン」「ダエナ」「ドラゴン」駆逐艦「ジュピター」「エンカウンター」「ストロングホールド」「スコット」「サーネット」オランダ海軍の軽巡洋艦「ジャワ」アメリカ海軍の駆逐艦「ホイップル」「ジョン・D・エドワーズ」「エドソール」「オールデン」からなるF部隊を編成し、シンガポールのセレター軍港を出航した。12月8日の早朝、アメリカ海軍の呉軍港攻撃より70分遅れて東洋艦隊は台湾の高雄攻撃のために台湾海峡に突入した所を満を持して(呉軍港攻撃は元より、台湾高雄攻撃も日本軍情報部の諜報活動ならびに日本海軍潜水艦による偵察活動によりあらかじめ察知されていた)待ち構えていた近藤信竹中将指揮の第二艦隊、高速戦艦「金剛」「榛名」「比叡」「霧島」以下重巡洋艦13隻 軽巡洋艦1隻、駆逐艦30隻と遭遇した。
 呉軍港奇襲を受けていた日本側は既に開戦状態にあるとして砲雷戦を開始した。このとき、東洋艦隊は日本海軍新鋭イ−100級潜水艦10隻からなる潜水艦部隊に捕捉されており、その新兵器「零式 航跡追尾式誘導魚雷」により、「レナウン」「レパルス」は艦尾を集中して雷撃され、推進軸や舵の損傷を受けて戦闘不能に陥れられた。また、「プリンス・オブ・ウェールズ」に対する攻撃では左舷後方に2本命中。うち1本の命中した衝撃で「プリンス・オブ・ウェールズ」の推進軸が重大な損傷を受け、これも艦隊から脱落していった。「プリンス・オブ・ウェールズ」は魚雷命中による損傷に加え、不運にも湾曲した推進軸によって隔壁が破壊されたこともあり、早くも多量の浸水を見るにいたり、発電機室なども浸水して対空射撃等に多大な影響が出た。また、戦艦「金剛」「榛名」「霧島」の放った36センチ主砲弾4発が左舷側に命中。左への傾斜がひどくなり、エクスプレスが乗員救助のために右舷に横付けし、乗員の収容を始めた。トマス・フィリップスは幕僚の退艦要請に対し「ノー、サンキュー」と拒み、艦長のジョン・リーチも「グッバイ、サンキュー。諸君に神のご加護あれ」と言って退艦しなかった。
 14時50分、プリンス・オブ・ウェールズは大爆発を起こし左へ横転して転覆し沈没した。プリンス・オブ・ウェールズが沈んでから間もなく、近藤中将は東洋艦隊に対して「米海軍の奇襲失敗による敗退」の事実を告げ、降伏を打電。結果として戦艦三隻を戦列から失ない重巡洋艦「エクセター」軽巡洋艦「モーリシャス」「ダーバン」「ダエナ」は大破。駆逐艦「ストロングホールド」「スコット」「サーネット」「エドソール」「オールデン」が戦闘不能となったためこれを受け入れた。白旗を掲げたイギリス東洋艦隊に対し、日本海軍側は直ちに東洋艦隊と合同しての両軍将兵の救助活動を展開するとともに、航行不能となった巡洋戦艦「レナウン」「レパルス」を戦艦「金剛」「榛名」、「比叡」「霧島」でそれぞれを曳航し、捕虜となった艦と共に九州佐世保軍港へ回航した。
 当時のイギリス首相ウィンストン・チャーチルは著書の中で台湾沖海戦で戦艦3隻を失ったことが第二次世界大戦でもっとも衝撃を受けたことだと記している。

 その後、巡洋戦艦「レナウン」は日本海軍に編入され艦名を「伊吹」に改称。1945年、「八雲」と改称された姉妹艦「レパルス」と共に、佐世保海軍工廠にて台湾海峡開戦での損傷箇所の修理を行うと共に、帝国海軍の兵装形態に合わせるべく大規模な改装を施されたが、特に主砲は損傷も著しかった事もあり、オリジナルの42口径38.1cm連装砲から45口径四一式36cm連装砲に三基すべてが換装されている。以後、「伊吹」は「八雲」と戦隊を組み、高速性を生かし日本のシーレーン防衛の要となる。
 民主日本国国防軍発足後は海上自衛隊 巡洋装甲護衛艦DBC−105「いぶき」(「やくも」はDBC−104)として活躍。四度の大規模近代化改装を実施された。特に62年の第三次改装では、主機をそれまでのパブコック&ウィルコックス重油石炭混焼缶42基+ブラウン・カーチス直結タービン二基四軸推進(120,000馬力、速力31ノット)から、石川島パワーインダストリー社PW5500−IHI−106型八基四軸によるCOGAG(Combined Gas turbine And Gas turbine)推進(常時は巡航用のガスタービンエンジンで走行(航行)し、急加速時や高速走行(航行)時に高速用のエンジンを併用する推進方式)に換装し、最大出力220,000馬力、速力34.5ノットとなった。これは「大和」級装甲護衛艦をガスタービン化する際のテストケースとする目的でもあって、大型艦のガスタービン化を実現するため多くのデータを収集することが出来た。特に「伊吹(レナウン)」は1980年の第四次近代化改装時に、前甲板に有った第二主砲を後ろ甲板に移設。両舷には大型対艦ミサイル用キャニスターを装備した。これは、当時の艦隊決戦構想において、長距離艦対艦ミサイル研究が活発化し、そのテストケースとして搭載されたものである。
 現在は佐世保軍港にて「やくも」と共にモス・ボール状態にある。



○1980年時○


 満載排水量
 全     長
 全     幅
 吃     水
 機     関
 
 最 大 速 度 
 航 続 距 離
 乗     員
 兵     装




: 33,000t
: 242.0m
: 27.4m
: 9.7m
: 石川島パワーインダストリー社PW5500−IHI−106型八基四軸COGAG推進方式
: 34.5ノット
: 4,450カイリ
: 381名
: 36cm(55口径)全自動連装砲3基
: 79式艦対艦有翼誘導弾発射基 16基
: 20mmCIWS 三基 

 「やまとはくにのまほろば」コラボレーション企画としてスタートすることになりました、巡洋戦艦物語「伊吹(レナウン)」と「八雲(レパルス)」。TAMIYAの巡洋戦艦レパルスをベースに、「それぞれの世界観に基づいた進化を遂げた姉妹艦を建造する」ことをコンセプトに製作をして行きたいと思います。
 上の画像は、ウィキペディアから引張ってきたレナウン&レパルスの側面イラストを加工したものです。今回もフルハル化しますので、これを参考に製作して行きますが、レナウンとレパルスでは艦上構造物の形状が若干異なるようです。当サイトの分担は「レナウン」ですので、この図と現物キットと交互ににらめっこしながらイメージを固めました。
 「伊吹」ではハル形状は余り変えずに、とは言っても速力の増大化などもはかられている設定となっていますので、艦首形状(元々高速艦ですので凌波性は良さそうですが)は少し変更を掛け、対被雷性能なんかも向上させてやりたいので、艦舷側バルジの追加なども念頭に入れて艦底を作ってやりたいと思います。
今回使用するキットです。メインのベースキットとしてTAMIYA製「レパルス」、例によっての部品取りに使用するのはピットロード製「モスクワ」です。この組合せを見たら、大体どんな艦になるかは想像出来てしまいますね。
^_^;
 「レパルス」のキットとしての特徴で、ハルが左右二分割になっていると言うこと。艦体ベース(艦底板)に横フレームを渡し、左右の舷側パーツを接着して組立てる構造です。WLモデルも左右分割方式のものが増えてきたようですね。このお陰で、キットのモールドなどはとてもシャープに出来ています。
 「レパルス」と「モスクワ」の艦体を並べてみました。余った「モスクワ」は新巡洋護衛艦製作のベースとして活用するつもりです。しかし、ロシアの現用巡洋艦はでかい!!
 「モスクワ」の艦橋構造物です。以前、ロシア空母「アドミラル・クズネッツォフ」ベースに航空護衛艦「翔鷹」製作時にも書かせていただいた気がしますが、私はロシア艦の艦上構造物って無骨でとっても好きです。
 取敢えず、「レパルス」上に「モスクワ」艦橋を乗せてみました。sa-toshiさんも言ってらっしゃいましたが、「レナウン」級の甲板構造って実に複雑です。巧く活用できればと思っていましたが、チョッと無理みたいです。
 ハル艦底部分を製作して行きます。ジャンクパーツの中から、ニチモの30センチシリーズ戦艦「陸奥」の艦底パーツを引張り出し、艦の中心線上に艦底部分のシルエットを抜いた形のプラ板を立てておいてから左右二分割に割った「陸奥」の艦底を貼付け、足りない部分にポリパテを盛り付けて行きます。
 で、毎度のごとくこれらを耐水ペーパーで整形→サフ吹き→パテ盛り→整形→サフ吹きを綺麗な形、痘痕が無くなるまでひたすら繰り返します。
 後甲板の改造に移ります。本艦は前甲板に有った第二主砲を後甲板に移設した設定です。艦の構造自体がそれを容易にしてくれています(^。^) 第三主砲の前のデルタ部分を切り取り‥‥‥、
 そこへ第二主砲バーベット部分を切り出して取付けるだけ。実に簡単です。 
 え?何故撤去せずに移設なのかって?それは私が単に大艦巨砲主義者だからです(笑)
 上甲板を加工します。本艦の両サイドには対艦ミサイルキャニスターが載りますので耐熱構造にしてやらねばなりません。従って、木甲板は撤去です。
 艦底艦尾部のスクリューシャフトなどを取り付け。スクリューシャフトパーツは連斬「大和」より拝借しています。左上はサフ吹き前、右上がサフ吹き後です。
 最終サフ吹き後の画像です。主砲が載っておりますが、これは「レパルス」付属のものではなく、PT社の「WW-U日本海軍艦船装備セット(V)」より45口径四一式36cm連装砲を使用します。今回はここまでです。次回は艦上装備品の偽装までUp予定です。

 さて、久しぶりの更新ですが、とにかく進めて行きましょう。前回までの艦体上甲板に中央構造物を載せました。艦橋を含むこの部分はロシアミサイル巡洋艦モスクワのものを加工して使用します。艦橋より後部の煙突部分は仮乗せ状態で接着はしておりません。
 上は、後部構造物(後楼)です。ヘリ甲板を付けようとも思ったのですが、「昔の面影を残そう」かな?ってな気持ちも有って組立ててみましたが、いやいや、この『レパルス』、タミヤさんったら良い仕事していますよ。探照灯やら細かい部品のディティールのシャープで細かいこと!!巣組みでも充分に雰囲気出ると思います。今度もう1セット購入して忠実に作って見たくなりました。
上の画像は、ニチモ製1/700戦艦「大和」の艦橋を組立てたものです。当時は一番ディティールが良いと評価されていたモデルです。十数年ぶりに組立て(最近は艦底部分しか使用していませんでしたので^_^;)て見ましたが、中々良い出来です。オリジナルのモスクワの艦橋のそのままでは、些かつまらないので、これを使って何とかしてみたいと思います。
取敢えず載せて見ました。後々バランスを取って行こうと思います。
 上二枚の画像は何れも仮載せです。これから全体のバランスを見ながら細かい部分を詰めて行きます。短いですが今回はここまでとなります。
さて、木甲板を先にデッキタンで塗装した後、いよいよ偽装に入って行きます。艦橋周辺の構造物ですが、煙突部分を約4mm嵩上げし、ミサイルキャニスター最後部から周辺デッキを作ってやりました。ここには内火艇を置いてやる予定です。艦橋の後ろの部分が黄色っぽくなっているのは、切取られて大きく開いている『モスクワ』のアンテナマストの部分に光硬化パテで埋め立ている為です。
左と下の画像が後部デッキ組付け後です。
艦舷のミサイル取付け後、木甲板部をマスキング。
こちらは後部甲板をマスキングした様子です。甲板上の突起ディティール部分はテープを切り抜いています。
これは、『レパルス』の後鐘楼構造部品で、それに、『モスクワ』のレーダー関連パーツを組み合わせています。これには大型対艦誘導弾のイルミネータ的な設定を持たせます。
ピットロード製エッチングパーツのラティスマストをチョイスして取り付け。このエッチングパーツ、「大和し麗し」では重宝してきたのですが、もう絶版とのこと。『伊吹』で手摺を含め、最後の在庫を使い切りました。艦橋トップの測距儀はニチモの『大和』のパーツを加工してあります。
『モスクワ』のパーツやジャンクパーツを駆使して偽装をほぼ完了。手摺もこの段階で取り付け。
まず、艦全体を「呉海軍工廠グレー」にて塗装し、木甲板のマスキングを剥がしておきます。本当なら艦底色から塗っていく(グレー系の色は赤系の隠蔽力が高いため)のですが、この艦の場合、艦底部分のバルジが大きく膨らんでいる為、マスキングのしやすさから、通常とは逆の順序で塗って行きます。
艦の上部をビニールとテープでマスキングし、喫水の帯の色となるグンゼのガルグレイで塗装し、乾燥してから帯をマスクして艦底色を吹きます。下画像は乾燥後マスキングを剥がした所です。
ここで、「大和し麗し」ではお馴染みの方法でディスプレイスタンドを作って行きます。まず、フラグシップさんで購入した木製ベース版とハンズで購入した「ホワイト丸パイプNo290(10mm径)」を用意
ベース板の裏側に穴の位置をマーキングし、艦底の穴あけ位置にも印を付けておいた後、ザグリ(木ねじの頭が板の表面より引っ込むように加工する事)をしてから艦を取付けるコースレッドと言う木ネジが通る穴を開口。
ホワイト丸パイプを使用する長さに切断してコースレッドに通し、後は艦底に穴を開けて取付ければ終了です。
スクリューはこれもお馴染み、タカラ連斬「亡国のイージス仙石バージョン」より拝借。
毎度の事ながら、連斬シリーズは重宝してます。でも大分在庫も少なくなってまいりました^_^;
塗装して大分引き締まりました。後は主砲関連ですが、こちらはネットで発注した真鍮砲身の到着待ちです。次回には主砲の製作、取り付け、デカール貼り、汚し、旗付け等を施して竣工となる予定ではおります。というわけで、今回はここまでです。
 大分間が開いてしまいましたが、ここから一気に竣工まで行きます。
 さて、左の画像は空中線張りに使う道具と材料です。毎度の事ながら、材料はフラッグシップ製Ф0.08mm銅線を使用。テグスを使うより結び目が大きくならず、扱いやすいと思います。
 ピットロード製の現用艦装備品セットより、旗箱をチョイスし、裏側にピンバイスで穴を開けておきます。
 旗箱をマストの基部付近のそれらしき場所(笑)に取り付け。細かいです^_^;
 調度良い大きさのものに、銅線を必要な本数の分だけ巻きつけておきます。
 旗箱に開けて置いた穴に、銅線のよった端を差込み瞬間接着剤で固定し、一本一本をマストの上部に張って行きます。
煙突その他、残った部分の塗装をした後、艦名や艦番等のデカールを貼付けします。左は艦名。「い」「ぶ」「き」を左右両舷に貼付け。
デカールは貼付け後、つや消しのトップコートを吹いておきます。
 エナメルカラーを使って汚しを施し汚し、ここに巡洋装甲護衛艦『伊吹』、竣工です。これでこのコーナーが終了したわけでは有りません。後日、sa-toshiさん製作、巡洋戦艦『八雲』とのランデブーが待っています。ご期待下さい!!



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